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第1章
18歳の誕生日を迎えたその日、僕 白石 誠 (しらいし まこと)は友人に連れられとある花屋に来た。
最近できたらしく、どうやら誕生日の人に花をプレゼントしてくれるらしい。
「いらっしゃいませ」
「誠ー!なんの花がいい?」
「ん?別になんでも。せっかくだしお前が選んでよ。そこら辺見てるな」
あまり花に興味がなく、種類もよくわからない。自分で選ぶよりも友人に選んでもらった方がいい。そう思い店の中を少し歩いていた。
今考えるとそれがいけなかったのかもしれない。大人しく友人と花を選んで入ればよかったのだ。そうすれば、未来は変わっていたかもしれない。
「私に、触れないで」
花を見ていたら何処からかそんな声がした。とても切なく泣きそうな声で、初めて聞く声のはずなのにとても懐かしく、胸が締め付けられる感覚に襲われた。
「ホウセンカ」
その言葉が脳内を埋め尽くす。
【ホウセンカ 花言葉:私に、触れないで】
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