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「行く」
「即答かよ」
「たりめーだ」
きっぱりと言い切ると、動かないから断られるかと思った、と苦笑された。
風斗の家は、がらんと広いが居心地はいい。風斗と一緒にいるのも嫌いじゃない。
何だかんだ言ってみても断る理由なんてどこにもないのだ。
それに、と付け加える。
「飯、作ってくれんだろ?」
ニヤ、と笑いかけると、風斗の顔がひきつった。この顔を見るのもまた楽しかったりする。
整った風斗の顔が歪むのは、見ていてちょっと、いやかなり面白い。
「え、まじで?」
「まじで。」
にっこりと笑顔で言えば、今度は目を逸らされる。
風斗は料理が得意だと、どれだけの人が知っているだろうか。面倒だからといって普段人に振る舞うことはほとんどないが、その腕前は結構なものだ。
「やだ。めんどくさい」
「やだじゃねぇよ。誘ったのお前だろ?」
「えー…」
「てか俺今日、肉食いてぇ」
「無視か。って肉?無いし、肉とか」
貧乏学生になんてこと言うの、なんて軽く演技がかって言われる。なんと言われようと食べたいものは食べたいんだ。育ち盛りなのに少食な風斗にはわからんだろうが。
「帰りに買ってきゃいーだろ。別に安い肉でいって」
俺もちゃんと金は出すって、と付け加えれば、しぶしぶといった感じで納得した。よっしゃ。
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