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「震えてる……」
「……当然だ」
「いつもの冗談じゃないんですよね……?」
葵さんは、チラッとオレを見てから、また視線を逸らした。
「冗談にみえるか……?」
「いえ……。あの……」
「ん……?」
「嬉しいです……」
「えっ……?!」
オレは、葵さんの表情を見て、慌てて訂正した。
「ちっ……違います! そういう意味じゃなくて……!」
「そういう意味以外どんな意味があるんだよ」
「いや…………ただ素直に嬉しくて……、憧れの先輩に好きだ……て言ってもらえて……」
外見だけじゃなくて……オレのこと…見てくれてた……てことだよな……。
女子にコクられた時より、ずっと嬉しい……。
「オレの自信になります……!」
「そうかよ……」
ひとつため息をつくと、オレの目を真っ直ぐに見つめた。
「で?……この手は、いつまで繋いでるんだ?……結構、地獄なんだけど……?」
「あっ……すみません……!」
慌てて手を離した。
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