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次の日のことです。
異変が起き始めました。
寝室の柱の前に、
女が立っているのが見えるようになりました。
この世の者では無いとすぐにわかりました。
女が死装束を着ていたからです。
「お母さん!」
幼かった私は母に泣きつき、
これまでの事を素直に話しました。
すると母は言ったのです。
「あぁ、あの柱ね、おばあちゃんが死んだ日に魂が柱に吸い込まれるのを、私は見た事があるよ。おばあちゃん、まだそこにいるのかねぇ。」
女の正体がおばあちゃんかもしれないと知って私はさらに怖くなりました。
今思うと、
柱の前に置いた鉢植えの植物が枯れたり、
水槽の中の魚が死んだりしたのはその女の仕業かも知れません。
その出来事以来、私は寝室で寝るのをやめています。
だって、まだ女はそこにいるから。
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