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第4章
「放して下さいっ……!」
逞しい腕から逃れようと僕は必死にもがいた。
その甲斐もなく。
泥にまみれた純白のシャツは
いつしか胸元までせり上がり
「見ないで……」
捕食者を誘うように細い腰を露出させる。
「――来い」
冬馬は有無を言わせず
僕の腕を引っ張り上げると
「ああっ……どこへ……?」
「いいところだ」
足元の悪い道を引きずるようにして
近くの小屋に連れ込んだ。
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