たいかにちゅうるくれ

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 これは修学旅行に行った時の話です。修学旅行、それは大抵、歴史的な場所に赴くもので、そう言った場所には多かれ少なかれ、痛ましい出来事が起きているものです。  修学旅行、学校によって班行動の長さは異なると思いますが、生徒の自主性を育てる為にも一切無いところは無いでしょう。そして、宿泊施設では、幾つかの班を纏めて雑魚寝なんてのも珍しくない。  うちの学校は、クラス毎、男女毎に分けただけの雑魚寝で、日中のメンバー以外とも宿の部屋では顔を合わせることになりました。そして、クラスの中には「自称、見える子」が居たのです。  その見える子は、何かにつけて霊だ祟りだ呪いだと言うので、新学期こそ皆怖がったものの、今や失笑を買うばかり。人によっては「痛い構ってちゃん、略してイタカマ」なんて呼んでいたのです。  そして、そのイタカマは、部屋に入るなり言ったのです。「誰かが霊を連れてきた」って。  だけど、皆も慣れたもので、適当に怖がりながら「誰誰?」なんて聞きます。しかし、当のイタカマは答えない。答えたら自分が呪われるから、と拒否をする。そうこうしている内に担任から一喝され、その話題は誰に憑いたか不明のまま終結しました。
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