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イケメンにぎゅうぎゅ抱きしめられるという事案が発生!
一緒に旅ができて嬉しいとか、避けられて人が恋しかった、といった理由なのは分かる。
でも僕には動静に抱きしめられて喜ぶような趣味は無い、というよりも、
「く、苦しい……」
「あ、ごめん、つい嬉しくて、俺……」
「いえ、記憶喪失になって初めての仲間だから仕方がないかも。よし、じゃあとりあえずは旅をすることになるのかな?」
スマホで調べた時には、よい旅を! という言葉が書かれていたが、確かに僕は特殊能力(チート)を持っているが、それ以外だと、
「この買ってきた布類と……姉さんに頼まれたものだけない。とりあえずセールで買ってきた布とか手芸の詰め合わせセットとお菓子はあるのに。ほ、他には……スマホと、お財布……お財布にはお金も入っているけれど、この世界ではどうなんだろう?」
まさかこの世界では日本銀行券が流通しているとか?
「それはないよね。お金どうしよう、ラズはもっている?」
「確か、あの空の上の島で脅されて……」
「う、奪われてしまったのですか」
「いや、返り討ちにはできたが、それを警備らしい人間に見つかって逃走して……確かその時に、財布は落としてしまったはず」
どうやら荒くれものにカツアゲをされそうになって返り討ちにしたらしい。
もしや先ほどの人達はそういった理由で追いかけてきた人たりかな? と僕が思っていると、
「ああ、さっきの俺を追いかけてきた人達とは別件だ。彼らは俺を狙って捕らえようとしてきたみたいだったから」
「そ、そうなのですか」
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