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アルベールは肉棒に口づけをし、こぼれる露をそっと吸う。
「にっ、兄さん、駄目だよ、口をつけるなんて……あぁぁっ」
言葉とは裏腹にニコルは恍惚とした顔をしてしまう。
アルベールに弄られる全ての場所が疼き、蕩けていく。
尿意よりもずっと身を焦がす衝動が湧き起これば、
「兄さん、だめえ。出ちゃうッ、もうやめて。おかしくなっちゃうからぁ……っ」
自分でもどうすれば良いか分からずただただ泣きじゃくってしまう。
しかしアルベールは構わず続ける。
いや、むしろ追い立てられるニコルの涕泣に触発されでもしたかのようにますます貪られてしまう
「やっ、やだあ……!」
白い飛沫をこぼした。
(僕、おしっこを漏らしちゃったの!?)
はじめての射精だった。
アルベールは動きを止めず、さっきよりもやや柔らかな舌遣いながら、粘り着いた体液を丁寧にぬぐい取ってくれる。
「はあっ、はあっ、ぁああっ……」
ニコルは涙で霞んだ眼差しで、アルベールの凄艶な姿に見入った。
「兄さん……」
排泄行為を覗かれ、羞恥に口ごもる。
「違う。これは、お前が感じた証だ」
「また……あ」
「ん?」
「兄さんは僕の心を読みすぎるよっ」
以心伝心は嬉しい。
しかしこんなにも簡単に読まれすぎてしまうと、まるで心まで裸に剥かれるような錯覚に陥る。
「許せ。――こうしないとお前を守れないだろう」
「わ、分かったけど、こういうときは……控えてくれて、良いから……っ」
アルベールは苦笑しつつ、「了解」と頷き、唇を再び貪るように奪った。
ニコルは初めて精を迸らせた陶酔感と、兄に身も心も捧げることの出来た達成感とで、多幸感に包まれながら意識を手放した。
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