第五章 二人の絆《きずな》(6)※ベッドシーンあり

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 ニコルはゆっくりと目を開けた。  そこは当たり前だが、見慣れた自分の部屋だ。  レースのカーテンを透かし、柔らかな陽(ひ)が差し込んでいる。  久しぶりにこんなに穏やかな朝を迎えられたような気がした。  隣を見る。  ニコルの肩を抱きながら、アルベールがすうすうと寝息を立てている。  無防備な愛しき人の顔。  さすがにこれも寝たふり、ということはないだろう。  おだやかに寝入っているアルベールにぎゅっとしがみつき、厚い胸板に頬を押しつける。 「……兄さん、大好きだよ」  呟けば、ニコルの肩を抱いている手に力がこもったような気がした。
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