廻る世界と牡丹花火

第一章 生まれ変わり

ゴオォォォッっと滑り過ぎていく音と共に聞こえる叫び声、楽しそうに笑う家族連れやアイス片手に自撮りする女子高生、手を繋いで歩くカップル、一つのジュースを二人で飲むカップル、インスタ映えする食べ物を撮ってはしゃぐカップル、カップル、カップル、カップル、カップル･･････

「あーどこもかしこもカップルだらけじゃねーか！ 誰だよ、女子だけで来てるグループもいるって言ったやつ」

要（かなめ）は周りを見渡してうらめしそうに言った。

「ま、まぁ今日はたまたまいなかったっていうか･････、男三人でも別に楽しいし良いだろ」

瞬一が要をなだめるように言う。

「てか言い出したのって紘介（こうすけ）じゃなかった？」

「いや、俺言ってないから」

要の質問に間髪入れずに紘介が答えた。

「だいたい、男三人で遊園地っておかしいだろ。どうせなら海とかプールとか･･････他にもっと良い選択肢あっただろ」

瞬一、要、紘介は高校時代からの親友だ。
同じサッカー部で共に汗をかき、高校三年間を過ごした。
大学は皆バラバラになったが、仲の良さは変わらず時間が合えば集まっている。
三人とも現在彼女はいない。