第2話

２-２

体育の時間にクラスマッチの練習が始まった。この学校はけっこうスポーツに力を入れていて、クラスマッチも体育祭もかなり盛り上がる。人数が足りなくてバスケになった私は、せめてみんなの足を引っ張らないようにと必死だ。

「惜しかったね、さっきのシュート」

体育館の一番端のコートを使った２クラス合同の練習試合の合間、コート脇に座って休んでいると、体育委員の谷本さんが話しかけてきた。

「全然だよ。バスケ初心者丸出しで申し訳ない感じ」
「大丈夫大丈夫。うちらがカバーするから」

　谷本さんは体育委員だけあって、運動神経がいい。もともとバレー部だけれど、バレーじゃなくてバスケを選択し、それでも活躍している。みんなに頼られていて悪い人ではないと分かっているんだけれど、ハチマキの件があったこともあり、ちょっと苦手意識を持ってしまっている。

「そういえば、この前はごめんね」
「ううん、こっちこそ」

おおげさに両手を胸の前で振ると、谷本さんは「よかった」と笑った。