2人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
珍しく優恭が心霊スポットに行こうと言い出した。
そのトンネルを通り抜けると、デジタル、アナログを問わず、時計が指す時間が異なるという。
この現象を確認するには数人で行く方が確認をしやすいというものだろう。
かくして、俺達5人は今日も心霊スポットに行く。
噂のトンネルに着くと、皆の感想は、
「普通じゃない?」
と、優夏に続き、
「期待外れじゃねえ?」
と、威が何やら身振り手振りを始めて、
「やってみよう」
と、俺が言うと。優恭がルールぽいものを話し始めた。
「インターネットで見たルールなんだが……」
「トンネルは黙々と歩く。2分程で通り抜けられると思う」
「数人の場合は1人ずつ行く。1人が出発したら5分後次の者が出発。その後も5分間隔で出発する」
「トンネルを抜けた者は後者が来るまで待つ」
「全員がトンネルを抜けたら、一斉に時計を皆が見えるように差し出す」
「そして、今回の怪異だが。皆の時計が違う時間を指していると言うことだ」
一通り、優恭の説明が終わると。
「マジか!俺達、5人の時計の時間が違えば面白いな!」
と、威がはしゃぐ。
「私達、小学生みたいじゃない?」
と、麻琴が言い、
「最後に注意があるんだ」
と、咳払いをして優恭が話を続けた。
「もし、何か異変に気付いたとしても”おしまい”と、誰かが声に出し。翌日までその場の出来事は語らないのがルールらしい」
最後のルールに、皆、にやけた笑みを浮かべながら頷く。
最初のコメントを投稿しよう!