840人が本棚に入れています
本棚に追加
/237ページ
幕府は国難をようやく乗り切ることができたものの、またしても「御恩」の面で幕府は頭を抱えることになる。
「もう無理やって、御家人にあげる土地ない」
今回も戦った相手が海外なので、前回と同じ問題を幕府は抱え込むことになった。
そえゆえ、町中ではこんな会話が飛び交った。
「ご主人、幕府から恩賞が貰えないがゆえ金欠やねん。また、金貸してくれまへんか」
「その前に早う今までの金返しなはれ」
「頼む!まとめて返すから」
「銭がないんやったら家の車叩き売ってでも作らんけぇ!!」
「そんな、どっかの高利貸しと同じトーンで言わんと、ご主人、頼むー!!」
幕府と御家人が結んでいた「御恩」と「奉公」の関係は完全に崩れてしまっていた。
そしてさらに時宗が1284年に亡くなると、北条貞時(さだとき)が9代執権に就く。
それでも幕府の状態は変わらなかった。
------
「貞時殿、御家人の怒りがいよいよ激おこぷんぷん丸になってます。何か対策を!」
「うーん、わかった!あれするわ!!」
そして幕府が出したのは、徳政令(永仁の徳政令)というものだ。
内容は、御家人が店などからした借金を帳消しにする、といったものだった。
「え?借金ナシ!?」
「Yatta!Yatta!」
御家人の間では大量のはっぱ隊が現れるくらい歓喜の声があがった。
しかし一方で
「何で借金がチャラになんねんこんなアホな話があるかい!!」
商人からしたら大迷惑な法律となった。
最初のコメントを投稿しよう!