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伊藤さんは、わからないことがあると職場の先輩社員に遠慮なく質問をぶつけていた。
それは、僕に対しても同じで、他の先輩社員とまったく変わらない態度で僕に接してくれた。
職場の他の社員は、僕が足が不自由なため、どこかしら遠慮があるような感じがするけれど、伊藤さんは僕に対し遠慮するような態度を取ることはなかった。
僕は、伊藤さんのように分け隔てなく僕に接してくれることを、とても嬉しく感じていた。
12月に入って忘年会シーズンになると、忘年会の幹事を任された伊藤さんが、忘年会出席の確認をしていた。
伊藤さんは、僕にも忘年会に出席するかどうか聞いてきたので僕は遠慮して、
「僕は足が不自由で、周りの人に迷惑がかかるから、欠席にするよ!」
と答えた。
今までの幹事さんは、僕がこのように答えると遠慮して、そのまま欠席にしたけれど、伊藤さんは違っていた。
「若林さん、私がサポートしますから、一緒に出ましょうよ!
きっと楽しいし、職場の皆さんとのコミュニケーションも大切ですよ!」
伊藤さんは、笑顔で僕に出席を勧めてきた。
「若林さん、一緒に出ましょう!」
伊藤さんは、さらに忘年会への出席を勧めてきた。
僕は、少し不安があったけれど、ここまで一生懸命話をしてくれる伊藤さんの気持ちに答えようと考えた。
「伊藤さん、ありがとう!
今回は、思い切って出席させてもらうよ!」
伊藤さんは、さらに満面の笑顔になった。
「わかりました!
若林さん、出席にします。」
僕は、何故かとても嬉しかった。
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