聖美と真知代

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***  聖美に彼氏ができたと聞いた日から一ヶ月後、突然スマホが鳴った―― 『私、三番目なんだって......浮気されてた......もう、死ぬ』 『ち、ちょっと聖美!』  一方的に通話が切られる、正直「またかよ」と思ってしまう、というのもこれが初めてではなく、彼女は彼氏に振られるとすぐに死のうとする、もはや癖とも言えるこの行為だが、黙って見てはいられない。  お風呂上がりの私はパジャマのまま、階段を駆け下り「お邪魔します」の言葉と同時に隣にある聖美の家へ飛び込み、ドタドタと階段を上がり聖美の部屋へと入る。 「聖美!」  もう既にカミソリで手首を切っていた。  意識はハッキリあるようで、突然ドアを開けた私を見て、驚き目を見開いている。 「ま、真知?」 「何やってんのよ!」  私は首からかけたタオルで止血し、おばさんとおじさんを呼ぼうと、大きく息を吸い込む。 「待って!!」  聖美が咄嗟に私を止める。 「なんで?」 「誰にも......知られたくないの......」  聖美は俯き、肩を震わせる。  こんなに可愛いのに......  私は聖美を抱きしめ、「もう大丈夫、大丈夫」と何度も耳元で囁いた。     
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