最終話  オレたちの未来

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建国50年とか聞こえた気がするが、まだ1年どころか半年が経ったくらいだ。 捏造もここまで来るといっそ清々しい。 「でも、なんか良いこと書いてませんでしたぁ? 私は功績が認められるし、子供もできるしー」 「私も良いことが書いてありましたね。生涯仲睦まじく……ですか」 「陛下と5人の御子、ふふふ。そうなると存分に仕込みを、ふふふ」 雲行きが途端に怪しくなった。 皆がどこか違う次元の夢を見始めたようだ。 お前ら、目の焦点が合っていないぞ。 怖い。 「でしょ? 良い未来でしょ? これが現実になったとしたら……」 「ほぉう。レイラさん、面白い発想をしますねー。その文章が現実になったら、ですか?」 「つまりはタクミ様に踏襲していただければ、そのような幸せが待っていると」 「うふふふ、御子が5人御子が5人うふふふ」 不味い、これ以上は危険だ! ひとまずは何処かに身を潜めなくては! 「あぁ! 逃げたわよ!」 逃げたわよ、じゃねーよ。 猛獣に囲まれたままジッとしてるわけねぇだろ! それから街の中をグルグル回って連中を撒こうとしたが、中々上手くいかない。 イリアが簡単に見つけてしまうからだ。 クソッ、無駄な能力を発揮しやがって。 しばらく逃走劇を繰り広げていると、マリィと鉢合わせた。     
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