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声が震え、心臓が破裂しそうなくらいバクバクと鳴った。
「それ、どこまで本気で言ってるの?」
「ど、どこまでも本気ですっ!」
「…本当に恋乃香はそれでいいの?」
こないだ両親に挨拶した時は、まだ心の準備が出来ていなかった。でも今は…。
私はもう一度、こくりと強く頷いた。
「いいです。だって私、…二神さんが欲しい」
言いながら目の前がぐらぐらに揺れるくらい、緊張で倒れそうになった。
私は倒れる前に二神さんの胸に飛び込んだ。
背に手を回し、シャツをぎゅっと掴む。
「誕生日プレゼントをもう一つ…。二神さんを…下さい」
恥ずかしさを無理やり振り切って、ありったけの勇気を振り絞って想いを伝えた。
二神さんの胸に頬を当て、目を閉じトクトクと聞こえる音に耳を澄ませる。
二神さんは私をゆっくり抱きしめると、低く落ち着いた声で「分かった」と言った。
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