某県内 8月

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某県内 8月

毎年、夏休みになるとボクは一人でおばあちゃんのいる田舎に遊びに行った。今年も、夏休みに入るとすぐおばあちゃんの田舎に行ける事になってボクは大喜びだった。 「今年はいけないかと思った」 行くことが決まった時、お母さんにそう言った。 「おばあちゃん寂しがってるから、アンタが行って元気づけてあげて」 「うん」 今年の初め、おじいちゃんが亡くなった。 おばあちゃんはおじいちゃんと二人暮らしだったから、今は一人であの田舎の広い家に住んでいるんだ。そう思うと寂しそうにするおばあちゃんの顔が思い浮かぶ。早く行ってあげなきゃ、ボクはそう思った。 ボクが行くとおばあちゃんはシワシワの顔を更にシワシワにして、「よく来た~よく来た~」と言って何度も頭を撫でてくれた。 着いてしばらくは居間でゴロゴロして、おばあちゃんの切ってくれたスイカにかぶりつき、大音量で鳴くセミの声を聞いたりしていた。 すると── ドンっ! いきなり2階の方から何か重いものでも落ちてくる音が聞こえて来た。ボクは驚いて飛び上がり、音のした辺りの天井の部分をじっと見つめていた。2階は元々おじいちゃんの部屋があった所だ。     
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