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#3
ドアの向うからあらわれたのは獅子王大也だった。
大也は「明史…俺のトコにお前のお客さんが来てる」
「はぁ、誰だ。明史は自室謹慎言い渡されたから無理だぞ」と岳人が言う。
「あーでも、俺の部屋でもギリで渉には出ててもらってるんだ」
「はぁ~?何様!あ、純血種の鬼、まさか藤鬼?」
「いや、莉久?と藤鬼とつるんでる百目鬼閏と鬼塚葉太だって」
「明史行くな、藤鬼があんな状態で他の仲間の鬼の所なんて死にに行くようなもんだ」
「何があったか詳しく聞いてないけど向うは見た感じ冷静だったし話し合いが目的でしょ?」
「いざとなったら俺が押えこむし話し聴くだけ聞いたら?」
「明史どうする?」
「行くよ、多分莉久の事だろうし」
「じゃあ、俺もついていく何だよ大也」
「いや、向うが嫌がるかなぁって」
「お前の力は信用してるけどいざと言う時のバックアップはいるだろ?」
「どうするの?」
「逃げ切ってみせるさ」
「だってー、岳人カッコいいね、明史」
「…いくぞ」
大也と渉の部屋に行くと莉久と藤鬼とよく一緒にいる純血種の鬼。百目鬼閏と鬼塚葉太がいた。
葉太の方が先に話し出した。
「キレた竜月から逃げ切ってくれてありがとう、おかげで竜月は停学処分にはならなかった」
「あの場合逃げてなかったら良くて半殺しだろ」岳人が毒を吐く。
「でも、知らなかったとは言え発情期の花簪の鬼の簪を引き抜くなんて殺されても文句は言えないよ」
「なんでさ!それに純血種は純血種で固まってまざりと話しもしない癖に今更自分勝手だ!」
「閏、話してもいいかい?」
「話す気が無いなら来んな!」
「少し落ち着けよ、多分当事者の明史に話したいんだろうし」
「…いいよ、話して」閏がそう言うと葉太が話し出す。
「これから話す事はデリケートな内容だし個人の事情に入り混んでるから他言無用でお願いします」
へりくだった物言いに岳人、大也、明史が戸惑う。
「花簪の鬼は発情期に性別が変わる珍しい鬼なんだ」
「それで花簪の鬼は発情期中にこれだと思う相手に簪を引き抜かれるとその相手と番ための性別に変わるんだ」
「今、百鬼は医務室で面会謝絶状態だけど、竜月の話しだと八割がたで女になるだろうと言っていたよ」
呆けたようにポツリと岳人が
「じゃあ、明史の為に百鬼は女になるの?」
四っの絶対零度の視線に岳人は黙り。
葉太が静かに続ける。
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