二人の相性

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「……はぁ…はぁ……はぁ……はぁ……こ、これで……どうだ……はぁ……はぁ……ブタくせに……わたしに逆らいおって……いい加減……おまえも堪えただろう……?」  ひとしきり私を打ち続け、腕の乳酸値がピークに達した彼女は、肩を激しく上下させながらもなお高飛車な口調で私を尋問する。  ……ああ、確かにこれは堪えた。私もそろそろ限界だ……。  その私をゴミ以下の存在としか思っていないような冷たい眼差し……私の命がどうなろうがお構いなしに鞭を振るうその残忍さ……。  ああ、もうこんな責めには堪えられない! 「もっと、もっと叩いてください! もっと強く! もっとこのブタめを苛めてください!」  我慢の限界を超えた私は、思わずそう叫んでしまった。  そう……私はドがつくほどのMなのだ。加えて露出狂のド変態でもある。  故にこの拷問シチュエーションは私にとって地獄どころかまさに天国! パラダイスである!  その上、責め立ててくれる相手は明らかにSっ気のありそうな高飛車クールビューティ……愛の鞭を打ち込まれる度に彼女を愛おしく思うようになった私は、いつしかその女性士官に本気で恋をしていた。  その堪えがたい彼女への劣情と興奮によって、私の下半身も今やR18でなければ書けないような有様に変化している。 「キモっ! 卑怯者のスパイの上にそんな趣味まで持っていたのか? ほんと人間のクズだな! この変態ブタ野郎が!」  そんな私の様子を見て、彼女は自らの肩を抱いて身震いすると、尖ったヒールの靴で転がった私をぼろ雑巾のようにガシガシと踏みつける。 「…あうっ! ……ああ、いい! …あぐっ! ……も、もっと……もっと踏んでください女王さまっ!」  もちろん、その責めも私にとっては大好物である。 肉にヒールが食い込む心地良い痛みを感じながら、私はさらにおねだりをする。きっと今の私は、恍惚とした表情を満面に浮かべているに違いない。 「誰が女王さまなんて呼んでいいと言った? …はぁ……はぁ……ほんとにキモいド変態ブタ野郎だな、貴様は!」  そんな反応がさらに彼女を刺激し、紅潮した顔の女性士官は荒い息遣いになりながら、なおも私を容赦なく踏みつけ続ける。
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