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*** 移民船とし製造された船は、まだ開港していない宙港に停められていた。 当然人気はない、そんな中に停められた大きな船の近くにアリアは立っていた。 駆けつけたカイルがその姿を見つける。 「カイル」アリアが不安そうに言った「何が起きてるの? エイルも逃げようとしか言ってくれなくて……」 「エイルは?」 「中で出発準備をするって……」 アリアが、既に開いているハッチを指差して言った。 「え。エイルが? 一人で?」 巨大な船だ、コンピュータ制御されているとはいえ、全てのチェックをするだけでも数人がかりだ、そもそもその知識があるのか。 「最近よく読んでた分厚い本、持って入っていったから、それがマニュアルみたい。時間がかかるだろうから、やれるだけやっておくって」 ノイマンから覚えるよう指示があったのだろうと判った。 「とりあえず中へ」 その時、アリアが気がついた。 「何か来るわ……」 アリアの声にカイルは振り返った。 この事態に、宇宙に逃れようとする者か? サリファには連絡が言っているような事を言っていたから、この船に乗るよう促されていたのかも──。     
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