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離れて名前を呼んで唇を触れ合う、何度も何度も繰り返すうちに、彼女の体からようやく緊張が解けたのを感じた。
「萌絵……少しでいいから口、開けて」
彼女は素直に従う、ほんの少し歯列が見えて、僕はすぐにむしゃぶりついた、我慢の限界だった、舌を差し入れ歯列を舐めた。
「ん、んん……っ」
彼女の戸惑う声が聞こえた、それでも僕は舌を更に進入させた、舌の表面と裏側を舐めて、絡ませる。
キスをしながら手の平で体を撫でた、滑らかで柔らかくて……脇腹、腹、乳房……まだ硬さが残るそれは若さの象徴だ、乳腺が張ってるんだ。再び脇腹を撫で、太ももに触れた、彼女の体がぴくんと跳ね上がる。太ももに指を食い込ませた、滑らかで張りがあった。
再び外側のラインに沿って撫で上げ、首筋に指が触れると、
「ぅん……っ!」
声色が変わった、欲情を含んだ声に。
首は感じやすいのかな……唇を動かした、耳のすぐ下から舌を這わせる。
「……あ……っ」
可愛い声が漏れた、それに自分でも驚いたらしい、息を呑んで口を指先で押さえる。
思わず唇を離して彼女を見た、先程までと違って、頬は桜色に染まり、瞳は潤んでいた。僕が良く知る女性の艶やかな表情だ。
よかった、僕でいいんだね。
「──いいよ、声、聞かせて」
萌絵の手をそっと掴んで、口から外した。
「でも……っ」
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