take#0神さま

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take#0神さま

said:Dr.百鬼豊 ここは"エデンの東"アベルを殺したカインが行きついた楽園。からもじった研究所名だ。 主に人体の機械化限度率や(ようするにサイボーグ技術)や、人体の能力開発(人工的にESP能力者を発現させる研究)をしてる。 研究の内容的に子供が多い。俺は生物工学と心理学を専攻した科学者の一人だが、ここでは保父の一人のようだ。 自分が受け持つ子に名前をつけた男の子を七海亮(ななみとおる)女の子を五十嵐花(いがらしはな)ととにかく彼、彼女は幼く俺は仮親のように付きっきりで面倒を見ながら研究を進めている。 先に能力を開花させたのは、花で花はサイコキネシスをまず自由に使えるようになった。 横でほぼ寝たきりで身体を部分ずつ機械化している亮は表面上花が能力を使って自由に動くのを嬉しそうに見ていたが内面は溢れそうな嫉妬と焦燥に悩まされていた事だろう。 花の能力値に安定性を見て、亮が機械化した身体のリハビリを始めた頃俺は花にたのんで亮を一緒にサイコキネシスで浮遊させて見た。亮は驚いて胸をつかんで泣いた。花は不思議そうにしていた、俺がきっと喜ぶと言ったからだ。 亮は泣いて苦しい胸のうちを明かしてくれた。 「ドクターの事は好きだ、花はもっと好きだ。けど俺の身体はドクターとは違うし花とも違う、一緒に空を飛べて嬉しかったけど、よけい俺は一人で同じじゃなくて悲しい」 乳幼児期の親離れよりキツいだろう、ここには本来の親に捨てられた子供がほとんどだ。ましてや亮は身体を機械化していってる、思い通り動かせるようになるまで時間がかかるだろう。スペック通りの動きを出来るようになるまでどれくらいかかるだろう。 花は人のまま人ならざる力を使えるようになってきてる。そう言う生き物なのだと納得している。 鬱々と日々を使う少年に軽やかに日常を受けとめられる少女の心の半分を分けてあげたかった。 花には了解を取った亮はどう受けとるだろう。 『共感覚コネクト?』『あぁ、亮お前と花の感覚を結ぶシステムだ』『ON.OFF出来るし、視覚、聴覚、触覚と結ばれる感覚は多い。花が空を飛んでいるときONにすれば上空を見られるし何より一人じゃないって分かって寂しくない』 まだティーンにもならない子供だシステム施術にはyesと答えた。
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