1話 生い立ち

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お母さんは『家族』全然顧みない人だ。 年より若く見えるし、美人。 家、ほとんど居ない。私は知ってる。お母さん、男の人と浮気ばかりしてんの。 小さい頃はわからなかった。 「お客来てるから、邪魔しないでね」って、部屋でしてたと思う。 小学生になってからは「遊びに行きなさい」とか「遅くなるけどご飯、適当にお願いね」になった。 多分、私が学校で『性教育』受けたから隠れて浮気するようになったんだと思う。 中学に上がったばかりの頃。 またお母さん居ない日だった。 お母さん居ないとお父さん機嫌悪い。 お父さん、お母さんの悪口いいながら、キッチンに座ってめちゃくちゃお酒飲んでた。 聞かされてるの、たまんなくて自分の部屋に戻ろうとしたら、 「唯までお父さんから逃げるのか?」 って。 逃げるに決まってるじゃん。なんで離婚しないんだろう? 毎回だから、本当に『離婚して欲しい』って思ってた。 「おい、唯、お前…だいぶ女らしくなったなあ」 「……中学生だもん」 「昔の母さんも、美人だったし、……あっちがいい!」 「あっち?」 「……そろそろお前も時期だろう?もうしたのか?」 「何を?」 性教育は受けてたけど、お父さんの言ってる意味が繋がらなくて、本当にわかんなかった。 「よし、お父さんが教えてやるから来い」 お父さんとお母さんの寝室、ベッドに連れて行かれた。 「ほら、脱いで」 「え、……なんで?」 「お父さんが教えてやるって言ってるんだから、脱げ」 裸になった。 なんか、怖い。……もしかして、変な事、しないよね。親子だもん。 「さあ、ベッドに寝てごらん」 言われたとおりにベッドに横になった。
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