【シーグル視点】シーグルの日記(★)

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 スキル特化を思えばこれでもゆったりとしたペースではないだろうか。 「本当に、ユーリスに似てきたね」 「まだ父上のような立派な男にはなれません」  恥ずかしながら言えば、母は笑って「あっという間だよ」なんて言う。同時に頭を撫でるのだから、子供心に嬉しいやら、微妙な悔しさやらで複雑だ。  身長はまだ少しだけ母の方が高い。それでもあと少しだと思う。  育ち盛りというものらしく、ぐんぐんと背は伸びている。  いつか母の背を超えるのだろうと思うが、その日が楽しみでもある。  勉強と、それ以上に剣術や魔法の特訓をして、父の背を追っている。  父はいつまでも俺の憧れだ。  冒険者として世界を回っていた父は、色んな事を知っている。  10歳の時には初めて国を出て1ヶ月ほどの冒険旅行に出た。何故か母も。  理由は「マコトの料理はとても美味しい」という事らしいのだが、それならマジックバッグに料理を詰めて貰えばいいのにと思った。  でも、言わなかった。  結局父は母を片時も手放したくないのだろう。先の発言は言い訳だ。  何にしても楽しかった。  弟妹のお世話などもしていたから、母も少しそこから離れて羽根を伸ばしていたようだった。そして、母の作る料理は本当に美味しい。     
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