歩道橋の上で

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仕事から帰り、真っ直ぐに奥の寝室の窓に向かう。 カーテンを開け、ガラス越しに外に目をやると目当てのものを見つけた。 「やっぱり、今日もいた」 夕暮れに染まり始めた歩道橋の上に、1人の女性。 その髪にじゃれるように少し肌寒くなった季節の風がまとわりつく。 そっと窓を開け放つと、そよそよと部屋の中に新しい空気が漂い始める。 「なにしてんのかなぁ...」 僕が彼女を最初に見つけてからもう一ヶ月近くになる。 毎日見ていたわけじゃないけれど、窓の外には決まって彼女がいた。 少し離れているため表情はよくわからないが、いつも歩道橋の同じ位置から流れる車を見つめているようだった。 どんな人なんだろう、何故あそこにいつもいるんだろう。 彼女への好奇心は日増しに強くなるばかりだ。
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