天城 翔

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天城 翔

 鬼多見悠輝は探偵の三瓶茂子に呼び出されていた。  以前の貸しを返せと連絡があったのだ。 つまり、 今回はタダ働きだ。  憂鬱な気分で事務所の扉を開けると、 スク水姿の茂子が居た。  彼女は悠輝と同い年、 今年で二七になる。 「いらっしゃい」 「三瓶、 何のマネだ?」  茂子は人差し指を左右に振った。 「チッチッチッ、 三瓶じゃない、 ボクは天城、 『天城 翔』だ」  彼女は、 ビジネスネームで天城翔を名乗っている。 「ここも三瓶興信所じゃなく、 今は天城探偵事務所だ」  ここは元々、 彼女の父が経営する事務所だった。 「ったく、 三瓶はこの辺の名士なんだから、 そのままでいいだろ?」 「イヤだ!」 「あっそ。 で、 おれに何をやらせたいんだ」 「ノリの悪いヤツだな、 せっかくサービスしてやっているのに」  天城は胸を反らせて、 スクール水着姿を強調した。 「スク水なんて見たくない」 「ウソつけッ、 君の趣向は調査済みだ。 こういうの好きだろ?」 「リサーチ不足だな。 『お前』のは興味がない」  天城はこれ見よがしに溜息を吐く。 「素直じゃないなぁ、 嬉しいくせに。  まぁ、 フザけていても仕様がない、 本題に入るよ」  天城探偵事務所に、
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