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プロローグだとか、違うとか
どうして落ち葉は落ちるとゴミになってしまうのか。
枝についてる時には、綺麗でお客も見とれるというのに、落ちてしまうとただのゴミになってしまうそれを、彼女はため息を一つ付いてホウキで掃いた。
こんなこと思いながらお掃除なんてバチが当たるかもしれない。
そう思いながら彼女が見上げるそこには、立派な鳥居があった。なんでも由緒ある神社らしいが、その外観は古さしか感じることが出来ず、参拝客もまばらで神社経営だけでは生活も苦しいのが現状だったりする。
「あ、なんかやっぱ罰当たりかな?」
そう思いながら、彼女は手を動かして大量の落ち葉をかき集めた。どうせならここで焼き芋とか出来たらいいのに、なんてさらに罰当たりなことを考えながら。
「朝のお掃除、終わりましたー!」
そう言いながら彼女が家に入ると、「お疲れ様、ありがとな」と彼女の祖父・尊≪たける≫から返事があった。
彼はここの神社、「泉清神社」の神主だ。
「世莉ちゃん、遅れるわよ?」
母親・真理の声に世莉と呼ばれた彼女は「はーい」とわたわた学校に行く支度をする。
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