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第百六十七話 「みんなの盾になって」
これまでの俺との戦いはお遊戯に過ぎない。
今、目の前で繰り広げられている光景が、そう物語っている。
六本の楔の中央に浮かぶ巨大な炭団。
黒曜石で造形した幾何学的デザインに、赤く脈動する生物学的な文様が幾筋も入っている。
ヒメが死霊術で生み出した漆黒の蜘蛛。
六本の脚を交互に振り上げて、間断なく全周全距離攻撃を繰り返した。
三班・ゲデ界連合軍は明らかに苦戦していた。
屍操従・塊改によってさらに硬質化した装甲の前に、剣や魔法は有効打を与えられていない。
同じく死霊術で生み出した光菱01改二であれば、ダメージを通せるかもしれない。
しかし、弾幕を掻い潜って小球を撃ち落とす戦闘で、機体は大破している。
おっさんもさっき消滅してしまったことで、もう俺は死霊術のスキルが使えない。
最初からレベル99で、すべての回復系魔法と生活お役立ち魔法を奇跡級まで使うことができる。
しかし、俺の性格と合っていないスキル・ツリーは実戦レベルでは使えない。
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