chap.28 死霊術師の首飾り

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 ヒメに致命的なダメージを与えられるのは、この俺しかいない。  炭団の球面を高速で動き回る赤いモノアイを、電磁投射砲(レールガン)で撃ち抜く。  それしかこの戦いを収束させる術はないはずだ。  もちろん、ゲーム脳的な推測でしかないが……。  でも、俺とヒメが続けてきた戦闘ごっこ。  これまでのルールに照らして考えれば、俺の直感は外れていないだろう。  しかし……。  最後の小球を撃ち抜いたときに、俺のMPは底を尽いた。  電磁投射砲を撃つために、今すぐにもMPを回復しなければならない。  俺はコックピットの中で、空中に目を彷徨わせた。  インベントリーを開き、MP回復薬に視線をやった。  すぐに右手にポーションが出現した。  封を指で弾いて、液体を大きく口に含んだ。  甘さとしょっぱさと苦さと酸っぱさが絶妙なバランスで不協和音を奏でる世界で一番不味い液体。  それが強炭酸水のように発泡している。  このペットボトル大のビンテージMP回復ポーションを飲み干せば、炭団の中心をぶち抜ける高質量弾を一発撃つことができる。  ・装甲を貫通するために、硬化金属で弾体全体を覆う。  ・内部から破壊するために、侵入後に炸裂させる。     
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