怪しのコンビニ

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怪しのコンビニ

 トラックを走らせていると、コンビニは何かと頼りになる。  半年ほど前、早朝工場到着の荷物を運んでいる途中、ぐるりと大きなカーブを回ったところに突然明るい照明が目に入った。 驚いて見ると、新しそうな、だが名も知らないコンビニだった。  この三桁国道、ほぼ並行したバイパスができたせいでめっきり交通量が少なくなり、同時に沿線も寂れてしまった。 ところどころにはかつて賑わっていた頃の大型バス用駐車場を備えた土産屋、若者目当ての喫茶店やラブホテルの廃墟が点在し、薄気味悪さすら漂っている。 だから夜も煌々と明るいコンビニの開店はありがたいといえばありがたいのだが、近所に集落らしきものもなく、こんなところで儲かるのかな、と他人事ながら気になった。  ちらりと時計を見ると、予定より少し早く走れいていたので減速して店に寄ってみることにした。     
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