第一章

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「泰志、大丈夫そうなら指を増やしてみてくれ」 「うん。――センパイ、もう一本くらいいけるよね」 「へ? あ、ゃああ、ッ」  千世が僅かに気を抜いたところで、後孔へ更に指が追加される。だが今度は先程までの優しさを忘れた手つきで、千世の中をかき回してきた。 「ふぁあッ――た、泰志…くる、し……っ」 「泰志、第二関節のあたりまで入れたところにこりこりしたのがあるだろ。そこ、感じるポイント」  自分は男なのに、どこにそんなとことろがあるのだろう。これ以上の快感は危険だ。未知の感覚は、自分がどうなるのか分からなくて不安ばかりが付きまとう。  だから千世は泰志の首に縋り付いて彼の動きを止めようとした。
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