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「原ってリバ希望だったの?」
「なんだ?リバって」
「掘って掘られて」
さらっと聖也くんは言って、原先輩は真っ赤になって慌てたようにまわりを見て、そこに人影を見ると聖也くんを引っ張って近くの教室に入って。
そこに人がいないのを見ると、扉を閉める。
聖也くんに手を繋がれていて、私もついてきてしまった。
「おまっ、おまえ、それ、マイさんの前で言ってもいいのかっ?」
真っ赤になって恥ずかしそうに原先輩は言ってくれちゃう。
……かわいい。
かっこいい人だと思っていたけど、意外な一面。
「僕が原としたこと話してしまったことあるし、たぶん大丈夫」
聖也くんは私を見て、私は頷く。
そういうふうに原先輩を見ている。
聖也くんはやりたいだけなんて言っていたはず。
「……話すなよ」
「他には話していないよ。囲まれたときもゲイだなんて言ってない。誰とした?なんて話になるかもしれないし」
カミングアウトをしないのはそういうことらしい。
聖也くんが学校の友達ともそういうことをしてしまったのも問題なのかもしれない。
「…ありがとう。マイさんにも知られたくはなかったけど」
「僕がウケで掘ってくれないなんて言ってなかった?囲まれたとき」
「…掘られちまえなんて言いながら殴ろうとしていたから、なんか思わず口に出たんだと思う。おまえ、したとき、僕の中に入れてみる?なんて軽く言ってくれるし、なんか女みたいに喘いでくれるし、ウケなのかなって…。誘われて男の尻に入れてるなんてどうなんだよとも思うけどっ」
原先輩は恥ずかしそうに話す。
ノリみたいな感じだったのかなとも思う。
原先輩は男としたかったというものでもないようだ。
「だって僕、原としたのが男としたの初めてだったんだもん。ずっと男ともしてみたかったし、自分でお尻弄ったりもしていたけど、本物入れてみてほしくなって。原が抜きたいなんて言ってるから誘ってみただけ。初めて舐めたのも原だよ」
聖也くんの男性初体験のお話だったらしい。
私も赤くなったけど、原先輩はもっと赤くなった。
最初は相手をしてくれるなら誰でもよかったのかもしれないけど。
原先輩だからだとも思う。
見た目の好みで。
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