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「アンデバラ子爵には四男爵の指名権が与えられているのみ。取り消すには帝国の貴族会議に諮る必要があるからじゃ」
すごく大事じゃない! そういうのポンポンと……でも、もしかして、だから私を?
あの時、ユーナさんは会社についてのことじゃなくて、この指輪を渡す為に?
解らない、どうしたらいいのかが。私は大層な何かが欲しくて側にいるんじゃない、一緒に居たいからそうしていただけなのに。
「これのせいでユーナさんが困ったりすることってありますか?」
大切な証を渡すべき人物は絶対に他に居るわ。私が持っていることで迷惑をかけていたらどうしよう。
「一概には言えぬが、アリアスには不都合が出よう」
「それって?」
ユーナさんが困らないなら……安心ね。
「ヴィンター男爵はデンベルク財閥での席次も有しておる。アリアスをかどわかし、望みを叶えようとする輩も出てこよう」
そういうことですか。その懸念は大いにありえるわね、いまだって色々と敵がいるけど、爆発的に増えそう。
でも返せないってなら出来るだけユーナさんを支えたい、何が出来るわけじゃないけれれども。
目下、囮で狙い易い私が目標にされる位の効果はあるかしらね。
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