開かれた、禁断の扉

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 彼女の頬を掌で包み込み、低く穏やかであるが真剣味を帯びた声が響く。  「美姫。   貴女はなぜ、私がこの曲を選んだのか……分かりますか?」  突然の質問の意図が分からず、美姫は秀一を見つめたまま小さく(かぶり)を振った。  「……いえ、分かりません」  「私の想いを、知って頂きたかったからですよ」  美姫の頬に手を添えたまま、秀一が顔を近づけた。  「許されない関係と知りながら、貴女を愛してしまった私の気持ちを」  「……っ!!」  美姫の瞳孔が、大きく見開かれていく。
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