霊能ゲーム・レイワード

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『僕は対人恐怖なので、女子とも上手く会話がでず、中学の時に同学年の女子生徒から告白されたこともあったが、何も言えずに敬遠しているうちに逆に嫌われてしまった。つまり、19年間彼女ゼロの悲しきヒッキーである』  ターゲットの本条学とノビスターの共通項がレイワードに設定され、霊能ゲーム・イエローはスタートした。 『なぜ本条学が童貞だと分かったか?』  ヒッキーには優秀なハッカーが多く、黄色い鼠のメンバーにもヘビイチゴと名乗る毒舌女子ハッカーがいて、本条学のパソコンをハッキングしてメールやSNSを調べまくった。 「こいつ女っ気ゼロ。しかもエロゲーばっかやってんぞ。ノビくんとおんなじ童貞に違いねー」 「童貞喪失なんてレイワードは嫌です。僕は恋をして、その過程としてそういう風になりたいんだ。本条学だってそうに決まっている」  ゲーム前のミーティングでベビーイチゴが提案し、ノビスターは頑なに反対したが、シーンと静まり返った後に、クスクスと笑いが響き渡り、メンバー全員が賛成して葬り去られた。 「こんな強いレイワードないだろ?」 「童貞喪失なら、失敗しても笑えるしね」 「これで、行こうぜ」 「でも、相手は誰にするの?」
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