第15話  転生の資格

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第15話  転生の資格

何も見えない。 触れるものもない。 そんな中で意識を取り戻した。 この状況、橋に居た時と似てはいるが別物だ。 今は目も、耳も、手足も無くなっているらしい。 これは既に経験したものだ。 「お久しぶりです。イバラキはどうでしたか?」 どこからともなく声が聞こえてきた。 やはり前と同じく、意思を直接伝えられたような気がする。 「オレは、また死んだのか?」 自分の状況を振り替えると、そうとしか思えない。 あれだけの滞空時間だから、よほどの高さに違いない。 生きてる方が不思議なくらいだろう。 「正確に言うと私の傍に呼び寄せた、となるのですが。まぁ解釈はご自由にどうぞ」 半ば投げやりな返答が返ってきた。 こいつが曲者気質であることを、今更ながらに思い出した。 「呼び寄せたってことは、何か用でもあるのか?」 「ええ、もちろん重要なお話が。決してお茶の相手などではありません。そこまであなたを気に入ってませんし」 「悪かったな。オレもお前と雑談をする気にはなんねぇよ」 いちいち挟まれる無駄口が腹立つ。 バシッと端的に話せないもんかよ。 「お話と言うのは、転生についてです」 「今さらなんだよ。わざわざ呼び寄せてまでする話なのか」     
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