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ーーー僕の将来に愛はあるのだろうか
結人は考えた。
殺風景な部屋で一人、とりとめもなく考えた。
けれど、いくら考えを巡らせても答えは見つからない。
もしかすると、見つけたくないのかもしれない。
座り心地の良いソファからゆっくり立ち上がると結人は知らぬ間に頬に伝う涙を拭った。
ーーーああ、この虚無感を万由香の白い柔らかな肌で埋めてもらおう
その理由などどうでもいいように思えた。
少なくとも今は。
もしかすると自分が万由香に求めるのは秋川と同じ快楽だけなのかもしれない。
もしかすると、
万由香も今を楽しんでいるだけなのかもしれない。
それでも良いんだと思えた。
それでも良いんだと。
結人は心の中で繰り返した。
きっと、
ーーー愛は僕を救わない
結局、頭を使ったところで陳腐な考えしか出てこない青臭い自分が惨めに思えた結人は、また溜め息をついた。
誰も居ぬ部屋ですら誰にも気づかれぬようそっと。
そしてーーー
結人は決して満たされることのない愛を求めて殺風景な部屋にあまりにも不釣り合いな重厚なドアを押し開け、
理不尽な世の中へまた踏み出していった。
『愛は僕を救わない』
終
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