ロボット排斥運動

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人間そっくりなロボットの『ヒューマノイド』の量産が開始され、店頭での接客販売等に活用されるようになった近未来、特にコンビニの店員のほとんどがロボット化して、そのほとんどが24時間営業の完全無人店舗となった世界。 また、コンビニのバイトだけでなく、スーパーを支えていたパートのおばさん、デパートの販売員なども、次々と『ヒューマノイド』の活躍する場となり、性行為を目的とした『セクサロイド』までが開発されると、風俗業も人間から機械に代わっていった。人間の風俗嬢だと、色々と規制があるが、ロボットは人間ではなく物であり、残業をたくさん行わせて壊れるまで乱暴に扱って壊れても、それは故障であり,死ではない。 となると、使い勝手のいいロボットが労働力として、重宝されるようになり、バイトやパートなど非正規労働者の職場が減り、必然的に失業率が上昇し、霞が関などで失業した人たちがデモを行うようになっていた。デモの人数は日に日に増えて行き、それがあるとき、盛り上がり過ぎて、暴徒化した一部の人々が、『ヒューマノイド』の仕事場の象徴となっていたコンビニを襲った。当然、暴徒たちは、レジに立っていた『ヒューマノイド』を狙った。 ロボット三原則により、人間を傷つけられないはずだったが、ロボットは、経営者の資産であり、法整備により、その資産価値を守る範囲内で、自己防衛が認められるようになっていた。で、そのコンビニの『ヒューマノイド』は強盗対策という名目で、指先にスタンガンが内蔵された最新型だった。暴徒が数的に有利だったはずだが、最新型は素早く、そのスタンガンを利用して、次々と暴徒を倒していき、警察が駆けつけたときには、自動ドアを開けて入って来た警察官に、その『ヒューマノイド』は暴徒たちが床でしびれている中で、「いらっしゃいませ」と営業スマイルを浮かべてひとり平然と立っていた。
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