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「私が一番好きな果物」 多分、彼は今日四本目を持って来るのだろう。 もしも……もしも、もう一つの手に私が大好きな大きな白桃を携えていたなら、そろそろ全てを許してやっても良いかも、と思ってしまうくらいに甘い自分に呆れながら、冴子は彼を待っていた。 告白もせずただ毎日不器用にクローバーを持ってくる彼を待っていたあの時と同じように……。 どこか浮き立つ気持ちで。 了
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