2・透の想い

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『お母さん、元気ですか?  お父さんとお母さんの離婚を伝えられた時、僕はお母さんと一緒に行きたいと言いました。  それは、単純にお母さんが好きだからです。  小さい頃からいっぱい可愛がってくれた思い出があります。  お母さんが社交的で友達がたくさんいたから、僕は幼稚園の頃から最近まで、色んな友達と親子で遊びに行ったり出来て、そういうのが凄く楽しかった。     周りの友達はもう母親とは喋らないとか、母親と2人で出かけるなんてしなくなったって言っているけど、僕はそんなことを気にしたことは無かった。  うっとおしいな、とか、うるせえなって思ったことはあったけど。  どうして、僕がお母さんと暮らせないのか、お父さんに聞きました。  お母さんは僕を生んだお母さんでは無かったと。  お父さんは「昔に戻っただけだ」と言っているけど、僕はお父さんと2人で暮らしていた4歳までのことなんて、全然覚えていないんだ。  僕は他の誰の腹から生まれていても、お母さんしか母親はいない。  これからも、僕のお母さんでいてくれますか?  これからも、お母さんと呼んでもいいですか?  小田島透 』
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