不思議な御謡

2/3
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
かーごめ かーごめー 「おや、かわいいお嬢ちゃんだね」 「わたし?私あやこっていうの!」 「そうかそうか。あやこちゃんは、いつもここに居るの?傷だらけだねえ」 「うん!私ヤンチャだから!おかあさんがいってたわ!おばあちゃん、私と遊びましょ!」 あやこには不思議な御謡があった。 これを謡えば、絶対誰かが遊んでくれる。 あやこはいつも一人じゃなかった。 かーごのなーかのとりーは 「お嬢さん、楽しそうだね」 「そうでしょ!私と遊びましょ!」 「でもその御手手じゃあ遊びにくそうだ。いいものを持ってるね」 「おかあさんがくれたのよ。赤い糸は運命の人に繋がってるんだって」 「そうかい。それはいいな、よし、お兄さんがアヤトリを教えてあげよう」 いついつでーあーう 「あらお嬢さん。首に上等なものをつけてるじゃないか。生糸だね。」 「そうなの?お父さんがつけたのよ!」 「ふうん。わっちにそのスカーフをおくれよ」 「うーん…」 「御礼にお前さんに良いものをあげよう。今宵持ってくるよ」 「本当に?約束よ?」 「ああ、月が出てからね。お謡を頂戴。」 「夜じゃおかあさんに怒られちゃうわ」 「なあに大丈夫だよ」 つーるとかーめがすーべった
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!