第五章 さらば、坂本荘、さらば中野1

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。専属となっていつもは野田チーフに色々魚のさばき方や、刺身の盛り方等教えてもらい、野田さんが休みの時はバイヤー兼指導係の田中さんが、色々2か月くらい教えてくれた。配属前の約2週間の研修で、サバやいわしアジ等のいつも店頭に並ぶ魚のさばき方は覚えたが、配属になってからは、まぐろのさばき方や、カツオやイカの短冊切り等いろいろ覚えていった。たまに棘で怪我したりもしたが、そのうち慣れてきた。どの部門もそうだが、できるだけ早く開店までに品物を並べられるかだ。冷凍エビなど前の日に用意できるものは、良いが、その日の朝に仕入れた魚をさばいて刺身にしたり、切り身にしたりして店頭に並べる。時間勝負だ。刺身の盛り合わせは一番最後に作る。大体回転の時には、刺身を買う方はあまりいないからである。ある程度並んでいればよい。開店してから品数を増やす。鮮魚部は朝8時出勤だが、終わりも早く、午後4時に売り場を最終周り、足らない品物を補充し4時30頃には上がる。参宮橋店には食堂があり、バイトのおばさんが毎日店の食材を使って皆の分の昼ごはんを作ってくれる。これも非常に安く給料から引かれるようになっていた。       
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