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「高瀬さん、ありがとうございました」
ファイルを全て戻した後、深々と頭を下げる佐々木さん。
「どういたしまして」
意外と礼儀正しいんだよね、この子。
愛想はないけど。
入ったばっかだしまだまだ仕事は遅いけど、わかりやすいようにクリアファイルに入れてくれてたりするし。
「じゃあ、残業頑張ってね」
そう言った俺に、佐々木さんが微かに微笑んだ。
その顔に目を奪われそうになって、咄嗟に顔を背けた。
「……お疲れ様」
それだけ落として、背を向けた。
彼女が返してくれた挨拶は、背中で聞いた。
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