別れと出発

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別れと出発

 今まで、来る年も来る年も、思い続け、月日は過ぎ、そしてやっと、五十四年間の思いが叶えられようとしています。  どうしてこんなにも帰りたいのか、お寺の事を思い出すたびに胸が熱くなり、ときめきさえ憶えます。 これは何なのか、自分でも未だに判りません。 兎に角戻りたいのです。  
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