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私とあなた
*
「私たち、もう終わりね」
彼は目の前で大好きなズユー国のお茶を飲んでいる。私の言葉には反応を示すことはない。
「何もかもが幸せでした」
だから、だから……。
最後のわがままを聞いて欲しい。
私がずっと愛用してきたロッドを見せると、彼はびっくりしたように目を大きくする。
澄んだ青色が私を惑わすよう。変わらぬ恋心は彼に向いたまま。
「わかった」
彼は……夫はゆっくりと腰をあげた。
彼はきっとあの場所に連れて行ってくれる。
初めて私たちがパーティを組んで行ったダンジョン。
苦戦しながらも倒したモンスター。
初級ダンジョンへ。
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