犯罪者の巣窟

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犯罪者の巣窟

「ここは?」 僕は、薄汚れている天井を見て生きてると感じた。いや、分からない地獄かもしれない。 「ようこそ、犯罪者の巣窟へ。」 僕の顔を覗き込んだ男は出っ歯でどぶネズミのような臭いがした。 「ここは?どこ?ですか…。」 「廃病院やで。道の真ん中で血だらけで全裸の人間見つけたら助けるしかないやろ。」 「自首しなければ。」 僕は、起き上がった。 「まぁまぁ、待てや。」 「助けていただいてありがとうございます。僕は妻と妻の浮気相手を刺したんで。」 僕は、出っ歯の男の口臭が気になった。 「それなら、なおさら出ていくのは良くないで。」 「何でですか?」 「刑務所や裁判所に連れ出されて週刊誌に顔出されてお陀仏やで。」 確かにこの男の言う通りだ。 「じゃあ、僕は…。」 「簡単や、ここに居れば良い。」 そうか、僕は妻の浮気相手を刺し殺して妻も半殺しにした。ただの嫉妬して人を殺めた殺人者だ。
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