風見鶏の館

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二人が付き合い出したと知った時、僕は目の前が真っ暗になっていくのがリアルに分かった。 いや、日頃から言いたいことを言い合って、じゃれ合っている二人を見ていたら、こういう展開もあり得るくらい誰でも想像出来た。 それでもいざ、付き合ったと聞いた時、僕は動揺した。なるべく二人と一緒にいることを避けるようにした。 けれどやはり同じ学校のしかも同じ学科にいるとなると嫌でも顔を会わす訳で、ましてや入学以来、どういう訳だか何かと一緒につるんでいたものだから急に他人の様にって訳にはいかない。 だから僕は耐えた。 雪国の人間は我慢強く出来ている。と言うのが、僕の持論だ。 あの厳しい冬の事を思えばこんな一時の感情なんて……。 たった二ヶ月の間に僕は冬の厳しさよりも冷たく凍り付く世の中もあるもんだなと、この時、初めて気づいた。
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