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「これはロズウェルの問題だ。申し訳ないんだけど、部外者は立ち合わないでもらいたいな」
柔らかいが、有無を言わせぬ口調だった。リオンは身体を強張らせる。
ダンテが口を挟んだ。
「あいつは俺の呪いを緩和したんだ。部外者じゃない」
「でも、薔薇以外の花だろう?」
兄の言葉に、ダンテは眉をしかめた。兄弟の間に流れた、ひどく冷たい空気を読み取ったリオンが、慌てて言う。
「いいの、ダンテ。私待ってる」
リオンだって、何が行われるのか気になった。だがこんなところで睨み合っていても、なんにもならない。
「すぐ戻る」
ダンテはそう言って、もう一度屋敷へと向かった。
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