愛して、先生 ~壊れた欠片

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愛して、先生 ~壊れた欠片

化学準備室にいると、 突然ノックの音が響いた。 「堀江先生」 許可もしていないのにドアを開け、 笑顔の男が入ってくる。 数学教師、藤原七生だ。 俺を強姦し、そのときの画像を利用して 俺に肉体関係を強要し続ける。 酷い教師。 その上・・・ 『堀江先生、あなたの側にいさせてください。  あなたが俺を信じてくれるまで、あなたがいいというまであの画像を利用しますから』 ・・・愚かな教師だ。 その愚かな教師は、目の前に 大き目の紙袋を差し出した。 「なんですか?これは」 「とぼけないでくださいよ。今日が何の日か、ご存知でしょ?」 「・・・・・・」 今日は2月14日。 セイントバレンタインデーだ。 男子生徒はソワソワし、 女子生徒はドキドキして、ほぼ授業に身が入らない。 今日は、教師にとってやっかいな1日だった。 ・・・浮かれるのは生徒だけだと思っていたのに、 まさか浮かれている教師がいるとは。 「チョコレート、生徒からもらったんです。一緒に食べましょう」 「結構です」 申し出をあっさりと断る。 「えー、なんでですか?こんなにたくさん、俺一人じゃ食べきれませんよ」 「食べてください。藤原先生がもらったものでしょう」     
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